会計士の藤井です。

新型コロナウイルス感染症により、多くの事業者の皆様が売上減少などに苦しまれているというニュースが頻繁に報道されます。

その中で、このコロナを機会に、事業を後継者にバトンタッチする「事業承継」について考えている中小企業の社長の多数でてきていることでしょう。

しかし、この事業承継ですが、すぐに経営のバトンタッチができるわけではありません。

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」によれば、事業承継には主に以下のプロセスをたどることになります。

1.事業承継に向けた準備の必要性の認識
2.経営状況や経営課題の見える化
3.事業承継に向けた磨き上げ
4.事業承継計画策定あるいはマッチング
5.内部承継あるいは外部承継の実行

中小企業庁 事業承継ガイドライン

この中でも2.見える化と3.磨き上げの如何によって、事業承継の成否が決まると言っても過言ではありません。

本日は、事業承継の見える化や磨き上げの必要性について分かりやすく解説していきたいと思います。

自社の強みを磨き上げる

まず第一に「自社の強み」を磨き上げることが必要です。

事業承継とは後世にわたって事業をバトンタッチする行為なので、引き継いだ後継者が長きにわたって会社を繁栄させられるようにしなければなりません。

その際、「自社の強み」は会社が長きにわたって繁栄するための拠り所となるものです。

自社の強みとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 商材の品質に自信がある
  • 優良顧客を多数抱えている
  • 改善によりコストを抑えて商材を作ることができる

このような強みを事業承継前により強化することで、事業承継後のビジネスを盤石に運営していくことが可能となります。

承継の阻害要因を取り除く

次に大事なのが、「承継の阻害要因を取り除く」ことです。

なぜこの話をするかというと、特に中小企業においては規定類などの整備が不十分でなく、引き継いだ後継者がビジネスをやりにくい状況になっていると考えられるためです。

中小企業ですと、経営のノウハウも口頭で伝承されることが多いでしょう。しかし、口頭での伝承は極めて属人的になりやすく、一部の人にだけしか伝わらないというデメリットがあります。

これらの話は、親族内での「内部承継」でならまだ許されるところもあるかと思いますが、外部の第三者が承継する「外部承継」においては決定的なデメリットとなります。

通常第三者が承継する時は売り手である御社に対してビジネス・財務・法務などのデューデリジェンス(買収監査)をすることが大半です。

そのデューデリジェンスの際に、規定類などが揃っていないと、企業価値の評価上、評価額が低くなってしまうことがあり得ます。

なので、外部承継を行う際には、事業承継の準備として会社の「見える化」と「磨き上げ」が必要となっているのです。

具体的な磨き上げの項目とは?

それでは、具体的に事業承継においてどのような磨き上げをすることになるのでしょうか?

会社ごとによって磨き上げの重要度や優先度は異なるものの、一般的に事業承継の磨き上げとは以下のような項目となります。

弊社の事業承継コンサルティング「The Succeed」においては、御社の現状把握を行った上で、企業価値向上のために最も重要な項目から磨き上げを行っていきますのでご安心くださいませ。