会計士の藤井です。
本日は「節税と融資の両方に強い決算書は作れる」というテーマについてです。

私は会計士としてこれまでに多くの融資支援を行ってきたのですが「節税に強い決算にすると銀行ウケのよくない決算書になる」との相談を受けます。

「節税のためには赤字決算にすればいいのだが、赤字だと銀行の評価は良くない」というんですね。

今日はこのトレードオフを解消できる方法について考えていきたいと思います。

節税と融資に強い決算書を作りたい
利益を出したまま納税額は最小限に抑えたい

本日はこのような疑問にお答えしていきます。

節税と融資を両立させる決算書とは

結論としては「営業利益を黒字にして当期純利益を赤字にできれば」節税と融資の両方に強い決算書はつくれることになります。

というのも銀行は返済能力を測るために、本業での儲けである営業利益を重視する一方、法人税というのは当期純利益を出発点として税金計算を行うためです。

では、どうやったらそんな都合の良い決算書は作れるのでしょうか。
最も可能性があるのは固定資産の売却・除却・廃棄損ですね。これらを特別損失として計上することで営業利益は黒字でも、当期純利益は赤字になりえます。

例えばですが、会社の中で今は使われていない固定資産やソフトウェアはありませんか?もし今後も使う予定がなく、売れるほどのものではない場合、固定資産を除却してみてはいかがでしょうか?

また、実際に廃棄処分していなくても、基準を満たせば廃棄せずに現状の姿のままで固定資産除却損を計上することができます。いわゆる有姿除却というやつですね。

ということで、節税と融資の両方に強い決算書は作れる、という話をしてきましたが、個人的には現金支出が伴う過度な節税はやめた方がよいという立場です。

有姿除却などは現金支出が生じないのでよいですが、例えば交際費を増やす、などは現金支出を伴うので資金繰り上不利になります。

今回は少しテクニック的な話をしましたが、節税と融資両方に強い決算書を作りたいという社長様がいれば参考にしてみてください。