会計士の藤井です。

弊社に来る相談の中には、既存の不動産を担保にした融資を検討しているが、具体的にどうしたらよいか分からないというものがあります。

不動産投資をされている方であれば所有不動産を担保に融資を受けるというのは当たり前かもしれません。

一方で、事業資金に関しては基本的に無担保で融資を受ける方が多いと思います。

基本的には無担保で受けれるなら受けるべきだと思いますが、不動産を有効に使うといったオプションも持っておくことで選択肢が広がります。

より多くの融資金額を実現したい
不動産を担保に使って融資条件を改善したい

本日はこのような疑問にお答えします。

融資条件が改善される

不動産を担保に供するメリットとして最も大きなものは「利率が下がる」ということです。

例えば日本政策金融公庫の最もスタンダードな融資である一般貸付を例に取りましょう。

この記事を書いている今日時点においては、担保の有無によって基準利率が最大で約1%も変わってきます。

担保なし:2.06-2.45%
担保あり:1.11-2.10%

日本政策金融公庫「主要利率一覧表」

仮に1億円の融資を受けたとした場合、担保があるのとないのでは年間最大100万円の利息の差になるので、利息費用を圧縮することができます。

このように、担保があることで信用力が高まって支払利息を削減できるので、融資金額が多くなる方は担保を提供することもオプションの一つとなります。

なお、公庫の場合は不動産の他に有価証券なども担保として認められています。

不動産担保融資は抵当権の設定が必要

このように不動産を担保として供すると利率がかなり下がる一方で、デメリットもあります。

それが、担保に供する不動産に「根抵当権」を設定しなければならないことです。

抵当権とは、平たくいえば担保に取る権利であり、万が一返済できなくなった時に担保にとった不動産を差し押さえる権利のことをいいます。

抵当権には2種類あり、普通抵当権と根抵当権がありますが、事業用融資の場合は根抵当権になります。

この根抵当権ですが、少々厄介なところがありまして、普通の抵当権だと、借入を完済したら抵当権は消滅するのに対して、根抵当は借入を完済しても抵当権は消滅しません。

つまり、事業資金を完済することに加えて、こちらから根抵当権の解除を金融機関に申し出て合意することが必要になります。

金融機関としては、引き続き顧客をつなぎ留める意味で根抵当権の解除に消極的なことも多く、場合によっては反対されることもあります。

また、根抵当権付の不動産は売却が困難になりますので、その点もよくよく検討しておかなければなりません。

このように不動産担保付きの融資は根抵当という問題が付いて回るため、そのメリットとデメリットをよく考えて決断することが重要です。

なお、抵当権を設定する時には0.4%の登録免許税がかかりますが、日本政策金融公庫の借入の際はこの0.4%が非課税となります。