ベンチャー社長・2代目社長向け財務戦略会計士の藤井です。
中小企業の多くは銀行やその他の金融機関から借入を行っていると思います。
その借入に対する利率は無利息から十数パーセントと幅広いですが、企業によっては無視できない利息費用を負担している場合があります。
そして過去に利息費用が経営を圧迫している企業を何社も見てきたので、そのような企業をなくすべく、本日は中小企業が利息費用を削減する方法を公開したいと思います。
過剰な利息費用を削減したい
支払利息によって経常利益が圧迫されている
本日はこのような疑問にお答えします。
そもそも借りる必要はありますか?
利息を削減する前に、そもそも「借入等を行って利息を発生させる必要があったのか」という論点は考えるべきでしょう。
私が見てきた中には、実は融資を受けなくても日々のキャッシュが回るような企業もあれば、現預金残高が減るのが怖くて売掛債権をファクタリングに回している企業もありました。
このような事例を見ると、本来発生させなくてもよい余計な利息費用を払っているということに他なりません。
では、このような利息費用の無駄払いがなぜ起こるかというと「資金繰り表」を作っていなかったという1点に集約されます。
つまり、月末の現預金残高が不明なので、借りなくてもよい借入を行ったり、高い手数料を払ってファクタリングを行うようになってしまうのです。
たった一つの資金繰り表を作るだけで、無駄な借入やファクタリングをなくして毎年数十万から数百万円の経常利益が改善するとしたら、お得だと思いませんか?
具体的に利息費用を削減する方法
ということで、ここからは合理的な借入から発生する利息を削減する方法についていくつか紹介していきたいと思います。
銀行融資に切り替える
まず大事なのが、借入の中でも最も利息が低くなる銀行融資に切り替えるということです。
世の中には多くの借入があります。
ノンバンク融資や融資型クラウドファンディングなどはどうしても利息が高くなりがちです。
また、ファクタリングも手数料の中に隠れてしまっていますが、(特に2社間)ファクタリングはかなり高額な利息を取られてしまいます。
これらを銀行融資に切り替えるだけでも、年に数十万から数百万円の利息削減効果が望めます。
問題はどのようにして銀行融資に切り替えるということですが、こちらはちょっとしたテクニックが必要です。
というのも、銀行は貸したお金で利息の高い借入を返済されてしまうことを極度に嫌がるからですね。
制度融資を活用する
銀行融資を使えるようになったら、今度は地方自治体が推進している「制度融資」を活用してみましょう。
制度融資とは、地方自治体が利息や信用保証料の一部または全部を補助してくれる融資制度のことを言います。
この制度融資を使うことで利率が極限まで下がったり、信用保証料がタダになることもしばしばあります。
例えば、弊社は東京都中央区の制度融資を使っていますが、利率は0.1%、信用保証料は全額補助してもらっています。
制度融資は金額に上限がありますが、自治体が銀行に補助することで御社としても銀行としても悪くない話なので、どんどん使っていきましょう。
銀行と交渉する
最後に銀行と交渉して利率を下げるという手法があります。
この方法は銀行の収益が直接下がることになってしまうので、やり方にはいくつか留意点があります。
一つ目はタイミングです。
何もないタイミングでいきなり利率を下げてくれと言われても、銀行側にそのようなインセンティブは一切湧きません。
なので、銀行側がある程度得するイメージが湧くタイミングで交渉するようにしましょう。
例えば、以下があります。
・決算書の内容が良くなったタイミング
・追加融資を受けるタイミング
また、他行の融資提案書をちらつかせて既存行に金利引き下げを迫る方法もあります。
確かに比較対象ができて有効ではあるのですが、この方法が使えるのは既存行が御社と取引を継続したいと考えているときのみです。
既存行にとって御社の評価が低い場合「だったら他行で借りてください」と言われかねないです。
なので。他の銀行と比較する手法はあくまでこちらの立場が強い場合に限定される、ということは覚えておいて損はないです。