跡継ぎ社長・ベンチャー社長を支援する財務戦略会計士の藤井です。

中小企業経営者が熱を上げることの一つが節税です。

特に法人税の節税は経営者にとって効果も分かりやすく、すごく得した気分になるので、各社が盛んに節税商品を売りさばいています。

しかし、節税に邁進した結果、もう一つの地味な税目「消費税」のところでトラブルになる中小企業が後を絶ちません。

そもそも消費税の存在を忘れていたり、お金を使いこみすぎて消費税の納税ができなかったり。

そこで、本日は消費税の特徴と納税にあたっての注意点について、財務戦略会計士が日々痛感していることをお伝えしていきます。

忘れた頃に消費税の納付期限がやってきた
消費税の納税資金が捻出できない

本日はこのような疑問にお答えします。

消費税とは何か

法人における消費税とは、課税事業者であるときに「受け取った消費税-支払った消費税」を国あるいは地方に納税するものをいいます。

例えば小売業が商品を税込88円で仕入れて税込110円で販売したとしましょう。

この場合受け取った消費税は100×10%=10、支払った消費税は 80×10%=8となります。

なので、受け取った消費税10から支払った消費税8の差額である2を納付しなければならない、という感じです。

しかし、消費税の理解を難しくさせているのが「非課税・不課税・免税取引」です。

3つとも消費税が課税されないのですが、これらの区分を間違えると最終的な納税額が変わってきます。

ここらへんの判断はプロの税理士でも間違えることがあり、消費税の納税額を間違えたことで裁判になることもあります。

法人税だと利益に対して法人税率をかければおおまかな法人税額は計算できます。

しかし、消費税の場合はちゃんと計算してみないと最後まで消費税額が分からないのが厄介なところです。

消費税の納税スケジュール

資金繰りのことを考えた場合、消費税の納税スケジュールにも目を配っておく必要があります。

法人税の場合は中間納付は半期の1回だけとなっているので非常にシンプルです(前事業年度の確定法人税額が20万円を超える場合)。

しかし、消費税の納税スケジュールは消費税額によってスケジュールが異なるので注意が必要です。

48万円以下:原則として中間申告不要
48万円超400万円以下:年1回、前期消費税額の2分の1
400万円超4,800万円以下:年3回、前期消費税額の4分の1
4,800万円超:年12回、前期消費税額の12分の1

国税庁「消費税の仕組み」

利益が出ている中小企業であれば、年1回か年3回の納付を行っているはずです。

消費税の怖さ

消費税の怖さはその「ステルス性」にあります。

前述したとおり、法人税だとある程度の納税額がイメージできますが、消費税は計算しないと納税額が分からないという性質があります。

さらに、消費税額によって中間納付の回数が変わるので、ちゃんと消費税額を把握しておかないと、ある日突然消費税の支払い期限が来る、ということにもなりかねません。

そして、個人的に一番怖いと思っているのが「赤字でも消費税が発生する可能性がある」という事実です。

これ本当に怖いんですよね。

法人税の場合は赤字だと基本的に法人住民税均等割(70,000円~)だけ払っておけば事足ります。

しかし、消費税の計算上、預かった消費税が支払った消費税よりも多ければ最終的に納税することになります。

一例として、給与は消費税が発生しないので、給与の額が多いと赤字でも課税されることがあります。

売上 3,300万円(預かった消費税300万円)
給与 2,000万円
経費 2,200万円(支払った消費税200万円)
利益 -900万円
「消費税額 300-200=100万円」

なので、赤字だからと言って消費税は発生しないと高をくくっていると危険ですので注意が必要です。

法人税はある程度イメージできるとしても、消費税の金額と納付額・納付スケジュールについては顧問税理士に逐一確認するようにしましょう。