会計士の藤井です。
事業承継において、資産項目の磨き上げは重要な役割を果たします。
当ブログではすでに個別の資産項目である保険や不動産について解説してきました。
当記事ではそれ以外の資産についてどのように磨き上げを行っていくべきか解説します。
誰に出資したか定かでない出資金がある
もう何年も使っていない機械がBSに計上されている
本日はこのような疑問にお答えします。
事業とは関係ない資産の処分を検討
前の記事で遊休不動産の磨き上げについてお話しましたが、基本的に事業とは関係のない資産は処分したほうが、その後の結果が良くなることが多いです。
例えば、ゴルフ会員権や内容の分からない出資金は買い手からかなり大幅に評価額を下げられることがあり、実際に企業価値と帳簿価額が乖離してしまう要因となります。
特に役員貸付金を含めた回収可能性のない貸付金は買い手からの評価が低いので、早めに回収のめどをつけておくか、損失計上してオフバランスしておく方がBS(貸借対照表)の見栄えがよくなります。
不良資産の処分を検討
上記の資産と関連して、事業に関係のある資産でも処分を検討することが重要になってきます。
たとえば、長年売れてなくて埃をかぶっている棚卸資産やもう使えなくなった固定資産などが倉庫に残っているケースもあるでしょう。
こちらに関しては、商品評価損や除却をおこなうことで税務上のメリットが生じることがあるので、顧問税理士に相談してみることが一案です。
一方で、これらの評価損や除却は一時的にPL(損益計算書)に対してネガティブな影響を与えることになります。
買い手によっては、一時的に利益が下がっている点についてネガティブな印象をもつところもありますが、目的と意思を伴った除却であることを説明すれば納得してくれる買い手もあると感じております。