会計士の藤井です。
本日は「創業融資を受ける上で最も重要なこととは何か」というテーマで自分の思うところを書いていきたいと思います。
私は会計士としてこれまでに多くの創業融資支援を行う中で起業間もない創業社長の融資面談に同席して側方支援してきました。
本日のテーマ「創業融資を受ける上で最も重要なこととは何か」ですが、一言で言ってしまうと融資担当者に対して経営者の資質を示すことが最も重要だと思います。
起業したばかり、あるいはこれから起業しようと思っている
創業融資を受けたいけど何をアピールすればよいか分からない
これらの疑問にお答えしていきます。
創業融資では経営者の資質をアピールせよ
どういうことかというと、創業融資は参照すべき実績がほとんどありません。
設立して間もない会社もありますし、1期目の会社もありますが、実際ほとんど売上が上がっていないところが多いです。
なので、目の前にいる経営者の資質こそ融資の可否を決める上で最も参考にすべき情報となります。
では経営者の資質とは一体どんな資質になるのでしょうか。私が思うに3つあるので、一つずつ解説していきたいと思います。
1)過去のビジネス経験
1番大事なことは過去のビジネス経験です。
特に日本政策金融公庫は過去のビジネス経験と関連した事業をやることが最も成功するという仮定を置きがちです。
実際にそうではないと思いますが、裏を返せばどんなに経歴が良い人でも、未経験のビジネスで創業融資を申し込むと低く評価されることになってしまいます。または融資金額が減額されることもあります。
例えば、営業コンサルティング会社を起業すると考えたときに一番よいのは過去にも同じような営業コンサルをやっていて、トップセールスを取った経験があると非常にウケが良いです。
2)顧客の確保
次に重要なことは実際に顧客を確保していることです。端的に言ってしまうと売上が立っていること、これに勝る実績はありません。
顧客がいればいるほど、その後のビジネスが軌道にのって返済原資が作れるイメージが湧くので、すでに顧客を確保していことは重要ということで2つ目に列挙しました。
なお。売上に関しては単発的ではなく、継続的に取引をしていることが望ましいです。
例えば創業時に1回だけ5万円だけの取引だと、実績があることはあるのですが、その後も売上が上がるというイメージが湧きずらいです。それよりも月額で毎月コンスタントに売上が上がっている方がベターです。
3)営業力
営業力も創業融資という文脈では非常に重要になります。
というのも創業時は基本的に顧客ゼロから開拓していくことになるので、営業力がないと会社が成長していくイメージが湧かないはずです。
結果として、営業力のない社長には融資額が減額されることになりがちです。
弊社の事例では卸売業の社長の例がありました。
この社長は営業経験がなかったので、面接でもオドオドされていまして、そうなると融資担当者も非常に突っ込んできました。
「本当に事業計画上の売上は上がるのか?」
「事業計画上の数値を達成するための根拠を欲しい」
こんな質問が矢継ぎ早に飛んできて、結果としてその社長さんはオドオドしてしまうという悪循環に陥ってしまいました。
この案件は残念ながら融資額が大幅減額となってしまいました。
営業力があると社長さんの自信になりますし、そういった意味でも営業力は創業融資で大切な要素になると思います。
ということで、創業融資受けたいなら「経営者の資質」もっというと
1)過去の経験
2)顧客の確保
3)営業力
これらをアピールすると上手く行きやすいよ、というお話でした。創業融資を受ける際には是非意識してみてください。