会計士の藤井です。

前回の記事にて、資金繰りを改善は利益の向上につながるということをお話してきました。

資金繰りを管理し、正常化させることは質の高い経営意思決定を行う上でも重要です。

本日は、資金繰りの重要性を訴えるシリーズ第二弾として、資金繰りと意思決定について思うところを書いていきます。

今人材投資をしていいものか迷う
自分の意思決定の裏付けが欲しい

本日はこのような疑問にお答えしていきます。

会社が見える化される

資金繰りと意思決定の前に、そもそも会社が見える化されている必要があります。

というのも、企業活動は最終的に現預金を経ることになります。

一般的には、最初に商品を製造するために初期投資や設備投資が必要なので、企業の現預金は設備などに変わります。

次に、その設備を使って商品が生み出され、在庫に変わります。

そして、その在庫を売るために販促費などさまざまな経費が必要となります。

無事に在庫が売れたのであれば、在庫は売掛金ないしは現預金に変わります。

このように、現預金の流れを追うことで会社の経営活動が見える化されます。

会計の世界では、現預金の流れがわかる資料をキャッシュフロー計算書と呼び、「営業活動」「財務活動」「投資活動」のキャッシュフローを項目別に表示していきます。

このキャッシュフロー計算書を見れば、企業が何にどれだけお金を使ったのか一目瞭然なのです。

投資の意思決定の判断材料となる

会社を伸ばしていくには、事業なり人材なりに投資していかなければなりません。

その際に、当然ですが、投資額の上限は現預金残高を上回ることは基本的にありえません。

例えば、現預金残高が500万円しかないのに、1,000万円のエース級人材を雇おうと思っても怖くて雇えないでしょう。

現在の資金残高だけでなく、将来の資金繰り予測をしておかないと、どのくらい投資すべきかも分かりませんし、そもそも投資すべきかも分かりません。

そういった意味で、資金繰りを可視化することは、経営の意思決定の質を左右する重要な要素となります。